エコネットくぬぎ山

くぬぎ山の雑木林保全のために活動する環境団体です。ボランティア参加者を募っています。

くぬぎ山コンサート報告

       
 去る11月15日(日)、私たちが3年前から手入れをさせていただいているくぬぎ山の雑木林で、エコネットとみおか主催の秋のコンサートを開催しました。
 今回、演奏してくれたのは、若きモンゴルの馬頭琴奏者ボルドーエルデネさん。エルデネさんは、モンゴルのドルノ県に生まれ、2000年国立民族歌舞団にホーミーの歌手として入団後、数々のコンクールで金メダルや最優秀賞を獲得するという輝かしい経歴を持ち、現在は日本に語学留学中です。
 そんなすごい方がくぬぎ山に来てくれるなんてラッキー!、とスタッフは喜びました。しかし、じつは私たちは馬頭琴がどんな形の楽器かも知らず、ましてやホーミーが歌えると言われても実際に聞いてみるまでは、まったく想像がつかなかったのです。
 そして迎えた当日は、前夜までの雨と寒さが嘘のような上天気。空気は澄んでしっとりとして、色付いた林の木漏れ日も美しい絶好のロケーションとなりました。スタッフ入魂の素晴らしい舞台は、花と木で作った芸術的なオブジェ、客席は、倒した丸太の椅子です。お茶とお菓子が付いて500円で馬頭琴とホーミーが聞けるお得なコンサートとあってぞくぞくと来場した観客は70余人、みんな期待に満ちて開演を待ちわびました。
 さて、飾りの付いた帽子を被り、王子様のような白のモンゴルの民族衣装に身を固めたエルデネさんは、全員一致で「あさしょうりゅう」そっくり!馬頭琴は柄のところに馬の飾りの付いた二弦琴で、哀愁を帯びた低い音色です。そして、ホーミーの歌声は・・?
 頭と鼻と喉とお腹を使って2種類の音を同時に出す発声法、と言われても想像つきませんよね。まず地の底から聞こえてくるような重低音、次に天から降ってくるような高音がそれに重なります。それぞれメロディーもリズムも異なり、摩訶不思議な世界が広がります。「この世のものとも思えない」そう言ったお客さんがいました。
 広大なモンゴルの草原で、遊牧民たちはなぜこのような特殊な発声法を身に付け、どんな思いを込めてこの歌を歌ったのでしょう。顔はそっくりでも狭い島国の日本人には、想像もつきません。
 地に足の着いたという言葉がぴったりの姿と立ち振る舞いだったエルデネさん。その生まれっぱなしのような汚れのない純粋な魂をたくさんの皆さんにお伝えすることができて、エコネット一同、心から嬉しく思っています。
<土と水と空気を守る会の広報より転載>