エコネットくぬぎ山

くぬぎ山の雑木林保全のために活動する環境団体です。ボランティア参加者を募っています。

雑木林の手入れで見つかった蛾の仲間


 今日もエコネットのルーチンワークになっているくぬぎ山内の雑木林の手入れを行った。作業内容は、進出してきている針葉樹を伐採し、葉を落とした広葉樹の間から、冬の間は地面にまでたっぷり日照が届くようにしてやること、そのことにより林の中の植生の多様性が回復する手助けをしてやること。
 この日の作業を終えて帰ったら、参加者のお一人から面白いメールが届いていたのでご紹介します。

エコネットの皆様へ
 今日は、(略)お疲れ様でした。あの後、残った部分を整理してから食事を取ったのですが、その最中に落ち葉の上を結構足早に動く虫を見かけ、何だろうと近寄ったところ、写真のようなフユシャクの♀であることが分かりました。種はまだ特定できていません。今まで見たことのないフユシャクの♀のようです。
 フユシャクの仲間は冬場の今頃から出現する蛾で♂にだけ飛ぶ翅があり、♀のは退化して飛べません。主として夜間に飛び出し、♀はフェロモンで♂を呼び寄せます。交尾の場合♂は自分の翅で♀を覆ってやる大変紳士的な蛾です。♀は落ち葉、特に木の根元に近いところに潜んでいます。
 従って、これから落ち葉掃きをやるときは根元から50センチくらいの落ち葉は残しておくようにして頂くと蛾類など虫が生きていけます。生物の多様性が叫ばれています。虫にも五分の魂があります。

 何と心優しいナチュラリストではありませんか。こういう仲間と一緒にボランティアで作業をすることは、とても楽しいことです。
 そう言えば、前回の林の手入れの折、たくさんの蛾が日差しを浴びて楽しげに林を乱舞していたことを思い出しました。あれはフユシャクの紳士的な♂だったんだと言うことが判明しました。冬の雑木林を飛び回るフユシャクの光景はなかなか幻想的です。<冬の風物詩―森の妖精>なとどロマンチックに表現する人もいます。
 調べてみると大変に面白い生態の生き物ということが分かります。